【線上の僕ら】LGBTQ当事者レビュー
\この記事の信頼性を書いておきます/
自分自身もLGBTQの当事者( FTM 女→男)
ドラマや映画を呼吸するように見る人
将来的に映画やドラマを自分で撮影したい人
線上の僕らとは
原作は、常倉三矢さんの漫画で『このBLがやばい! 2018年度』で4位になった人気漫画です。
その人気漫画を白州迅主演でドラマ化したものです。この2人はどうなるの??と少しじれったいのですが、BL好きな人が好きそうな展開になっております。
また、二人とも顔が綺麗のなので見ていて飽きないかなと思ったりもします。
あらすじ
下校途中の白線ゲームで出逢った晃(白州迅)と夕希(楽駆)がやがて付き合うようになる。キス以上の関係になれなくて、悩んだり、就職活動で悩んだりする。やがて、高校時代に晃に告白した女性が現れたり、夕希は脚本家になりたいと思うようになったりと人生の選択に迫られる。2人の行く末は…。
どこでみれる?
BLブームが到来している影響で、動画配信サービスのほとんどで見れるようになっていますす!ご自分の好きな配信サービスでどうぞと言いたいところですが、僕のイチオシサービスをご紹介します!
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当事者目線で気になった所
夕希のお母さんにカミングアウト
理解できない方がドラマチックにはなるけど、現実からも離れてしまうんですよね。この時の夕希のお母さんは、割とすんなり受け入れてくれて、物語のスパイスとしては弱いけど、現実、このお母さんのように割とすんなり受け入れてくれる人もいたりはします。
今度会わせてねと言って夕希と別れるお母さんは、理想の母親像だなと思いました。
親とはいえ、1人の人間なのでその人の考え方次第なんですよね。どんな親の元へ生まれるかの運ゲーですね。
旅行に行った時の朝日
旅行に行った時に、急に夕希がいなくなった気がして、探しにいく晃。海岸で夕希を見つけるのですが、朝日と共に抱き合うシーンが本当にきれいに撮影してあって好きなシーンの一つです。
ここでハッピーエンドになるのかなと思っていたら、次に普通じゃないから別れようとなるので、感情が忙しいんですよね。
普通じゃないから別れよう
タイのように町中にゲイカップルがいる様な国ではないので、『男同士は普通じゃないから別れよう』とはなりがちな気がしますね。
SNSで検索すれば、LGBTQのカップルは出てくるけど、街中にそれほど居るわけではないので、俺は普通じゃないのかな??と言う頭にはなるのかなと思います。
そんな中で、女性から告られてしまったり、好きアピールをされてしまったら、そっちに流れてしまうのは、仕方ない気がするな〜と思いました。
自分の気持ちに気づいてしまう
このドラマでの印象的なシーンの一つが、自分が夕希のことを好きなことに気づいてしまった晃が離婚を決断し、夕希に再び出会うまでの葛藤を丁寧に描いているところです。
奥さんからの携帯への連絡をブッチしてバーのクローズまでタバコを吸いまくってぼーっとしているところや、夕希の笑顔を思い描いて、公園で会えないかな〜と朝までぼーっと待ってしまうところ、夕希が所属していた事務所などに電話してどうにかして連絡先をゲットできないか奮闘するところなど、印象的なシーンが続きます。
世間体などを気にして、なんで正直になれなかったんだろうなどの後悔の気持ちやこのままの方が絶対世間的には幸せなんだよなと自分の正直な気持ちと世間体に揺れている気持ちがとても丁寧に描かれています。
元々ゲイの人は、この感情はないかもしれないけれど、バイだったり途中からゲイだと気づいた人は、この揺れる気持ちを経験するんだろうな〜と思いました。
多様性と言われている日本ですが、やはり普通が生きやすいと言うのは正直なところなので、自分の正直な気持ちと世間体で揺れる人は多そうなだな〜と思います。
ドラマでこういう気持ちに触れることによって、同じように悩んでいる人のきっかけになるかもしれないので、このドラマでの一番好きなシーンです。
最終話のぶたれるシーン
最終話の奥さんにビンタされるシーンは多分あれ、クリーンヒットしてますね。奥さんからしたら、『敗北』しかないですよね。女性に浮気されたならまだ勝ち目ありますけど、『男性のことが好き』と言われてしまったら、完全に勝ち目がないですもんね。
その『敗北感』を薄暗い照明と奥さん役の女優さんのクマの化粧とかですごく演出されていて、視聴者のコチラを納得させてくれるので、このドラマの製作陣はかなり優秀だと思いました。
そして、この奥さん役の役者さん小島藤子さんという方がとても演技が上手く、ちょっと失礼ではあるのですが、きれいすぎない女優さんなので、ドラマ感があまり出ずリアリティが出ているので印象的になるのかなと思いました。
最終回のお母さんにカミングアウト
お姉ちゃんが国際結婚をするという話に反対をしてる母親の【普通】という言葉で我慢ができなくなり、カミングアウトとなってしまう時の晃のセリフがとても心を打たれるのでご紹介します!
普通普通普通ってなんだよ、普通って。なんで、お互い愛し合っているのに別れなきゃならないんだよ。俺、普通必死で普通に生きようとしてきたよ、人の顔色伺って。正直に生きてる姉ちゃんには幸せになってほしいんだよ。男同士の恋愛より国際結婚なんてふつうだろ?
ドラマ『線上の僕ら』より
奥さんと別れたことを報告に来るとお姉ちゃんの国際結婚の揉め事に巻き込まれてしまい、母親の言葉で自分のこともカミングアウトしちゃうんです。
母親の【普通】と言う言葉と、自分の思い通りに子供をしようとする感じ、お姉ちゃんの人生観全てを否定する感じに堪忍袋の尾がキレた感じに急に喋り出すんですよね。
そのセリフや白州くんの表情などがもう役を生きている感じがして、涙が出てきちゃうんですよね。
最後の男同士の恋愛より国際結婚なんて普通だろ??そこで涙腺崩壊です。
学生時代に色々と相談に乗ってくれたお姉ちゃんのためにと言う感情も読み取れるし、いいやつなので、幸せになってほしいな〜と視聴者に思わせる白州くんの演技は本当に素晴らしい!!
最終回お父さんの『胸張って生きろ』
お母さんは、たくさん話す人だけど、お父さんは寡黙。そんなお父さんが『胸張って生きろ』と言ってくれたのは、なんかもう泣きそうになりました。
日本の【普通】の中で生きてきたお父さん、お母さん世代の人が自分の子供がLGBTQだというのを受け入れるのは、やはり難しいことだと思うんですよね。
理解する、しないとかの直接な言葉ではなく、『胸張って生きろ』という言葉に父親の不器用さ少しの理解なども感じ取れるので、感動的なセリフでした。
最後のオーロラは
最後のシーンのオーロラは、話の伏線としては優秀だけど、別れているのにオーロラであってしまうというのは、ちょっと繋がりがないというか、ファンタジー要素強めだよねと思ってしまいました。
ファンタジー要素は強めだったけど、白人のゲイカップルを起用したのは、すごくよかったと思います。海外では、割と普通になってきているLGBTQ。街を歩けば、ゲイカップルが手を繋いで歩いていたりするのは、結構あるあるな風景なんです。
そこで、白人ゲイカップルを起用したのは、あなたたちは普通だよ!胸張って生きなよっていう制作側の意図かなとか思ったりしました。
少しずつ多様性と言われてきているので、もっともっと日本の普通に縛られない世の中になっていってほしいと感じます。