LGBT

映画『his』LGBTQ当事者レビュー

小石
あきよし
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あなた
あなた
映画『his』って男性同士の恋愛映画って聞いたんだけど、どんな感じか知りたいんだよな〜。
あきよし
あきよし
お任せください!この映画は、LGBTQについて知りたい!と言う人にとてもおすすめの映画となっていて、とてもおすすめの映画です!当事者の人以外にも見て欲しい映画です!!

\この記事の信頼性を書いておきます/

自分自身もLGBTQの当事者でトランスジェンダー(FTM)

ドラマや映画が好きで呼吸するようにドラマを見る人

映像が大好きで将来的に自分で俳優したり映画を作りたい人

あきよし
あきよし
さて、一緒に見ていきましょう!!

映画『his』とは

最近、BLブームが到来していまして、男性同士の恋愛のドラマや映画が乱立している状態です。

BL作品にも2つ種類がありまして、『イケメン俳優同士のポップな感じの作品』『社会派作品』があります。前者は、オッサンずラブやチェリまほ、タイBL作品のような作品です。後者の作品は、『窮鼠はチーズの夢を見る』で、その中間の作品が『きのう何食べた』だと思っています。

そんな中、『his』は、社会派の作品です。

すごく堅苦しい話ではないけれど、理解派と理解できない派の話が入り混じっていて良い作品だなと思いました。

2022年の現在、LGBTは割と普通になってきた空気感がします。それでもやはり理解できない人がいるのは、現状です。なので、僕的には、理解しよう、LGBT普通だよ、虹色!!イエイ!みたいなノリや映画は苦手で。そんな映画じゃないので、今回ご紹介しようと思いました!

あらすじ

周囲にゲイと言うことを知られるのが怖くて、東京から田舎へ引っ越した迅。その元へ急に渚が子供を連れてやってきて流れで一緒に住むことになる。渚は妻と離婚協議中で、子供の親権争いをしていることを告げる。子育てや周りの人との関わり方などで自分達のセクシャリティに悩む日々…。

男性同士の恋愛のその先を描いたのが本作品です。

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今泉力哉監督について

この物語を撮った監督さんは今泉力哉さんという方で『リアル』『生っぽさ』が得意な監督さんです。監督さんが意識しているのは『普段言わない言葉のセリフは書かない』だそうで、映画を見終わった後に『本当に隣に居そう』『近くに住んでいる気がする』ように作品を作っているんです。

LGBTQの人たちは、一見近くに居ない気がする世の中だけど、実際は左利きの人くらい身近にいるので、監督さんの作風とこの作品のテーマ『LGBTQ』が上手くマッチしている作品だなと思いました。

監督さんによって、作風が変わるのでこの作品のリアリティやフィクションさがないのは、今泉さんのおかげだと言えるのではないかと思います。

LGBTQ当事者からの目線

虹色少年

宮沢氷魚のミステリアスさ

この作品を作る上で重要だったと思われるのが宮沢氷魚さんの”ミステリアスさ”かつ”繊細さ”だと思います。寡黙で何を考えているか分からない迅を宮沢氷魚さんの長身でミステリアスな雰囲気が上手く調和しています。

サンフランシスコ出身で英語が堪能ということもあり、”さしすせそ”の発音が『サシスセソ』って感じの英語の発音でそれが寡黙な迅と言う人物の少し喋るのが苦手な感じにマッチしていて、個人的に優勝!って感じでした!

あきよし
あきよし
この映画を見るまでは、宮沢氷魚って親七光でしょ、話題作りでゲイ役なんでしょと思っていたんですけど、観た後は、キャスティングしてくれてありがとう!!!と思ったほどです!!

時が経てば、みんな忘れるよと言ってくれたおじいちゃん

『パパが迅くんとキスをしていたよ』と言いふらされてしまって、まだカミングアウトをしていない時に、ゲイと言うのが噂になってしまった時のことです。山に連れて行かれ『みんな忘れるから気にしなくていいよ』と言われたシーンは印象的でしたね。

多くを語らない昔ながらのおじいちゃんだけど、迅のことを心配していて山に連れて行ってくれる優しさ。そして、その優しさに気づいているけど、直接おじいちゃんにありがとうと言わない迅。そして、ありがとうという横顔でそのシーンが終わるカメラワーク。

ちょっとキュンときてしまいました。

村の人にカミングアウト「この年になったら、男も女も関係ない

子供がスピーカーとなって、ゲイと言うことが町中の人に知れ渡ってしまい、カミングアウトをするつもりではなかったけど、カミングアウトをせざるを得ない状況になってしまってカミングアウトをする迅くん。

へこんでいた時に山に連れて行ってくれた白髪のおじいさんが亡くなった葬儀の時にみんなにカミングアウトをすることに。

『僕はゲイです』って言った後に、おばあちゃんが『この年になったら男も女も関係ない』と言った台詞が印象的でしたね。まあ、確かに老人になるとおじいちゃんなのか、おばあちゃんなのかわからない人って居ますよねww

その後に隣に座っていたおじさんが肩をポンポンと叩く姿がめちゃくちゃ良かったです。言葉の分かったよよりも温かく感じる演出だな〜と思いました。

気持ちの悪くない理解

LGBTQの当事者からして全然理解するよ!人それぞれだもんと言う言葉って諸刃の剣だと思っていて、いや、言っているだけじゃない??って思ってしまう時があるんですよね。特にこの映画のように田舎や高齢者がたくさんいる環境だと特に。

僕は東京生まれ東京育ちなので、そのような現場に立ち会ったことはないが、この令和の世の中でも田舎に行けば行くほど、LGBTの理解は進んでいない。本当にびっくりするほど。それが現状…。

なので、当事者からすると田舎でLGBTがみんなと生きるというのは、無理だと思っているので最初から理解するよ!!って感じだと映画だもんね、エンタメだもんねって感じが出て、あまり感動する物語にはならないと思います。

なので、噂が噂を呼んでしまって、田舎から出て行くみたいのがあった方がリアリティを感じるんですよね。

あきよし
あきよし
最初は少し理解出来ない感じから、迅の懸命のカミングアウトで理解をする感じが見ていて心地良かったです。大丈夫だよ!!理解するよ!!みたいな感じで笑顔で来られちゃうと、本当か?!と疑ってしまうんですよね。多分、傷つきたくないから。

歯磨きをしている時の突然のキス

歯磨きをしているときの突然のキスのシーンはすごく良かったな〜と思います。子供が寝ているからここしかないって感じでキスをしていて。そのキスが結構攻めているキスというか。

後からマイクで音だけ撮っているのか、効果音を被せているのかは分からないですけど、キスの音とかも結構大きく聞こえるようなシーンで。BL映画だけど、冒頭の1分くらいしか攻めたシーンがないので、おおおお!!って感じのシーンでしたね。結果として、子供に見られちゃうんですけどね。

パパがしゅんくんとキスをしていたよとみんなに言いふらす(悪気はない)

悪気がなく、純粋無垢な子供だからこそ見たままを友達に言ってしまう子供。悪気がないので仕方がないけど、そこがスピーカーになってしまうのも事実なんですよね。

『迅くん、パパとキスしてたよね?』と迅に直接聞いてしまう子供。その空気の凍る場面は、すごくリアリティがあるなと思ってしまいました。

セクシャリティについての話は出してはいけない感がある日本。だからこそ、噂が噂を広げてしまう時もあるし、セクシャリティについての話を出してしまった時の場面が凍る感じ。僕も親へのカミングアウトで経験済みなので、わかるわかる!って思ってしまいました。

もうホント、その場の空気の気温はマイナス10000度って感じ。

その時の宮沢氷魚の困った顔がなんとも言えなかったですね。イケメン好きな僕としては、もう少し氷魚くんの顔のアップが見たかったな〜と思ってしまいましたけど。

家庭裁判所の尋問

家庭裁判所の裁判官の少し時代遅れとも思われる発言は、リアリティがあるなと思いました。全員とは言えないけど、裁判官や国会議員の頭の硬さは異常です。それが異常だからこそ、同性婚が令和の今でも実現しないと思うんですよね。

懸念していた同性愛者の元で育つ子供より、普通のお母さんの元で育った方が良いという所を突かれてしまうんですよね。そう思う裁判官は多そうですね。世間一般論も。

同性愛者の元で育つから不幸せで、異性愛者の元で育つから幸せなんかないと思うんですよね。異性愛者の元で生まれた子供でもネグレクトや虐待で嫌な思いをしている人はたくさんいますしね。

そして、何かの手段を講じないと子供を設けることができないので、愛情を持って育ててくれるカップルが多いと思います。日本では血の繋がりが重視されてしまうので、あまりこのようには思われないですが。

めちゃくちゃ世間一般的なことで攻めてくる奥さん側

奥さんからしたら、悔しさと情けなさと色々な感情が入り混じってそうですね。子供の親権が欲しいというより、自分が愛した男性が男性に寝取られたみたいな気持ちがすごく悔しいのかなと感じました。これが女性に寝取られたならそこまで悔しくなかったかもしれないな〜と奥さん役の方の演技を見て感じました。

奥さん役の方の嫉妬の演技がめちゃくちゃ上手いですね!こっちがイライラするくらい。嫌な人の演技をしていて、視聴者をイライラさせれる役者さんって本当に演技が上手いんだと思います。

LGBTに寛容なこっち側の弁護士

一般的には、子供の親権はお母さん側になることが多いですが、この場合親権者になることもあるよ、その際に同性愛者だというのは関係ないよと言っていた弁護士さんの言葉には感動してしまった。理解してくれない人の中にも理解してくれる人がいるんだな〜って。

しゅんくんはパパのことが好き、パパはしゅんくんのことが好き、このどこがおかしいの?

迅くんはパパのことが好き、パパは迅くんのことが好き、このどこがおかしいの??

映画『his』より

この台詞は涙が出てきそうになった人も多いはず。子供の純粋で無垢な台詞だからこそ、涙をそそる作品になっているな〜と思いました。

男と女が付き合うと言うのは、日本の普通を押し付けられているだけなので、本来誰と誰が付き合おうと、愛し合おうと良い訳なんですよね。

でも、日本では男女でないとダメというのが現状なんですよね。令和になっても同性婚はまだ認められていませんしね…。

全体を通して

BL好きな人にとっては、ラブな描写が少し足らないと感じるかもしれないな〜と思います。社会派の堅めな作品なので、LGBTQについて知りたいという方にとっては最適かと思います。カミングアウトされて困っている、どう接したらいいか分からないと思っている人に最適かと思います。

また、当事者で自分って変なのかな?周りにLGBTQの人が居ないという人にも最適かと思います!

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あきよし
海外好きなFTM(トランスジェンダー)です! 韓国にハマりすぎてほぼ韓国ブログみたいになっています。韓国のお得情報を主に書いています。
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